世界に600人しかいないビリオネア起業家の共通点を探る、「10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか」

世界に600人しかいないと言われる、ビリオネア起業家の特徴を描いた作品。

相続や結婚で財を成したり、悪事を働いてビリオネアに上り詰めた人物は調査の対象から外しているので、純粋なファウンダー兼起業家の特徴だけが紹介されている。その基準に当てはめると世界にビリオネアはたった600人しか存在しないというのも驚き。

 

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金銭的なリターンだけが全てではないが、この600人は起業家として「大」成功を納めたという事実は間違いないので、興味を持ち読むことにした。

 

以下、気になった点を箇条書き

 

・ビリオネアに外的な要因における共通点はない

育った環境や学歴、職歴などに偏りはないとのこと

 

・94%のビリオネアは大きな成功を収めるまでに複数事業を立ち上げている

いわゆるシリアルアントレプレナーだけでなく、ピボットや倒産したものも意外と多いらしい

 

・成功する「時期」は読めなかった

いつ成功するかは読めないが、必ずいつか成功するとは信じていた

またビリオネアは短気と気長を使い分けるのがうまいとの記述も

 

・失敗するリスクよりも、成功のチャンスを逃すリスクを恐れる

学術的にはプロスペクト理論の損失回避性と呼ぶらしい

 

他にもいくつかポイントはあったが、多少主張が先行してそのためのデータを集めたんじゃないかという節もあったのでw参考になった箇所だけ掲載。

 

自分も普段から比較的、成功する起業家に共通点は少ないという主張を繰り返しているんだけど、成功する時期についての話はかなり共感するものがあった。施策や時代背景と因果なく突然事業がブレイクすることだってあるんだから、長く成功を待ち続けられる方が強い。

 

共通点だけでなく、各創業者、各社の成功までの過程が簡潔に描かれており史実を学べるという意味でも勉強になった一冊。お馴染みジョブズやジェフベゾス、イーロンマスクあたりも登場するけど、IT以外の起業家についても記述があり、スティーブン・ロスがタイムワーナーにタイムワーナーセンター建設を持ちかけた話なんかも面白かった。

 

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